ホルベイン油一（YUICHI）は、ホルベイン工業技術部と東京藝術大学絵画科油画技法材料研究室が、産学共同調査研究「理想的な油絵具の研究」の結果を踏まえ弊社工場で製造した、東京藝術大学ブランドの油絵具です。油一（YUICHI）は画家にとっての理想的な油絵具を実現するために、厳選された天然顔料や化学技術の進歩により開発された新たな顔料などを採用し、最新鋭の機器と熟練工の感性で練り上げ、色鮮やかで、濁りのない、透明度の高い油絵具を実現しました。東京藝術大学（当時、東京美術学校）の西洋画科教授だった黒田清輝が目指した独自の油絵具づくりの夢が、世紀を超えてリレーされ、大きな実を結んだといえるでしょう。
- 特徴
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厳選した顔料により、彩度が高く、発色が鮮明な絵具です。体質顔料を含まない、単一顔料のみで製品化していますので、着色力が高く、混色しても濁りません。粘性も高く柔らかい絵具で、のびがよく、肌理（きめ）が細かい光沢のある絵具です。良質のアマニ油を採用し、無理のない乾燥と堅牢な固着化を達成しました。最新鋭の機械の採用により、顔料の分散性が高く粒子が微細な為、透明性の高い、絵具の開発が実現しました。また、錫製の特注チューブとチューブキャップを採用し、絵具の絞りやすさ、扱いやすさと、手に馴染む触感を持つ仕様としました。
- 色の解説
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レド ホワイト（PW1）は、白色の合成無機顔料であり、不透明色である。日本では、鉛白と呼ばれ、耐光性（****）に秀でている。18世紀まで、油画における唯一の白色顔料であった。現在なお根強く使用されている。今日、電気分解法により鉛イオンと炭酸イオンとの直接反応法で作られている。「油一」では、リンシード オイル（亜麻仁油）で練り合わせたものと、ポピー オイル（罌粟油）で練り合わせたもの二種類を揃えた。リンシード オイルで練り合わせたものは、下層用であり、明暗法での明色部分でのモデリング（肉付け）などに使用するとよいだろう。厚塗りもできる。ポピー オイルで練り合わせたものは、他の有彩色絵具と混色して、上層に使用するとよい。艶消しの状態で最上層に露出していると、大気汚染ガスにより、変色する危険性がある、鉛（Pb）化合物なので、毒性取り扱い絵具となる。なお、今日の欧米では、レド ホワイトのチューブ入り油絵具は市販されていない。
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